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不思議な鏡迷宮【神アカシ篇】ページ4

僕の通う【聖ロイズ・ヴァビロニアン学園】は、とにかく超巨大である。

外観は西洋の城や宮殿に色々とツギハギを足して大きくしたようなもので、我こそが日本の象徴!とでも言いたげに、天にも届くかのような高さと広さを誇り、聳え立っている。

学園理事長がかなり変わった趣向の持ち主で、いくつもの増築を繰り返して今の形となった。

気が付けば、世界三大巨大建築物に数えられるほどの大きさとなり、あの東京○ワーやスカ○ツリーがミクロサイズに感じられるほどになってしまった。

創立も古く、様々な歴史と伝統があり、日本の関東地方でもっとも有名な観光スポットのひとつにもなっている。

一風変わった校舎と制服と規則のせいで、世間からは魔法じかけの学園☆なんて呼ばれているけれど、この平凡な現代という世界で、実際に魔法なんて使える者がいるはずもなく……。

生徒たちは皆、当たり前に携帯を持ち、部活やバイトに励んだり、試験に追われたりする日々を送っている。

そんな一見奇妙でもあり普通でもあるような?この学園で今、重大な事件が起きていた――。



放課後の教室。 クラスメイトたちが噂をしていた。

『また、行方不明になった生徒が出たんだって!』  『じゃあまた誰かが、ナイトメシア様に祈りを捧げたんだ……』  『あの苺も、誰かがナイトメシア様にお願いしてやったことなんでしょ?』

遠くからそれを他人事のように耳をそばだてていると、 「トキワちゃん、ちゃんと考えてる?」 隣りの席のアリスに睨まれた。

「考えてるよ」 眼鏡を指で直して、生徒会日誌に目を向けたままそう答えた。

「あの苺、全然数が減らないし……」 ため息まじりに僕は続ける。 「毎日、撤去作業してるのに、むしろ増えてる気がするし……このままだと学園崩壊沈没するかも」

学園がたった一晩で苺まみれになってしまってから、もう一週間。

窓からは徐々にツタが進入してきてしまっている。その隙間から遥か遠い地上の、苺畑に埋もれたグラウンド場が見える。

「あのね、トキワちゃん。苺だけじゃなくて、この事件の発端についても考えてる? それを解決しないと、どうにもならないでしょっ!」

「事件の発端って、どれが?」 最近いろんな事件が起こりすぎていて整理が付かない。日誌の過去のページを探る。

「風紀委員のほうでも少し調べてみたんだけどね、行方不明になった生徒、四月に入ってからもう九人にも昇ってて……」

やはり神隠し事件のことか、と僕は顔を上げる。 最近は学園中がその話題で持ち切りなのだ。

その事件を発端に、様々な事件が多発するようになった。急激に苺が大量繁殖したのも、それが原因だという。

「その生徒たちの共通点は皆、ある悩みを抱えていた、か」  「えっ? 知ってたの!?」

「知ってるよ。生徒たちの学年とクラスと名前も。 なんで僕が毎日こうして日誌をつけてると思うの?こういうことがあった時の為じゃないの?」

アリスは、ちゃんとやってるんだね、うんうんと頷いた。 本当は学園長の規則でつけてるだけなんだけど。

「でも生徒会長が僕の代にきて、こんな事件が起こるなんてホントついてない。 警察も全然役に立たないし」

生徒たちはまるで神隠しに遭ったかのように、忽然と姿を消してしまった。 行方も手掛かりも、どこにも無い。

「だいたい、僕の仕事は生徒会費の赤字を立て直すことで、事件を解決することじゃない」

と言っても、事件を解決させないと赤字は解消されないし。

「どうせなら学園閉鎖にでもすればいいのに」 気だるく頬杖をつきながら言う。

「トキワちゃん……このままでいいの?」 心配そうに覗き込んでくるアリス。

「いいわけないじゃないか」 僕は唇を噛み締めた。

「でも僕にどうしろって? 警察にも解決できない事件を。 僕には何の力も無いのに」

……出てくる言葉は全て自分への言い訳だった。 何もできない、いや、できるかもしれないのに向かい合えない、自分に苛立っていた。

「この学園も、生徒たちも守れない。 僕は生徒会長、失格かもね……」

茶化すように笑って、少しだけ顔を俯けてしまった。心を隠すように。 ……僕には誰にも知られたくない、触れられたくない想いがあった……。

アリスは窓のほうへ目をやる。 昼間だというのに、空には不気味なほど巨大に月が浮かび上がっている。

「……ねえ、トキワちゃん。 ナイトメシア様の伝説って、信じる?」

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