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不思議な鏡迷宮【神アカシ篇】ページ7

――悪霊。 若頭は写真を睨んでそう言った。

「この金髪少年が悪霊なの?」  僕は聞き返す。 「やだ、こわ~い。 やめてよ、あたしそういうの苦手なんだからぁ~;;」

お嬢が怖がってギュっと腕にしがみ付いてくる。 そんなにくっつかれると、その……ムネがあたる。

「この少年が喰らおうとしている苺! 悪霊に取り憑かれているゾヨ!!」 若頭はビシッと指をさす。

その指の先を見る。 少年が掴んで口に運ぼうとしている苺に、小さな不気味な顔のようなものがあった。

「今すぐ止めぬと大変なことになるゾヨ! 即刻、退治しに行くゾヨ!」 窓を開け放ち、そこから飛び降りようとする。

「きっともう無理だよ。この苺は少年の腹の中だよ」 呆れながら僕は止める。

「では吐き出させて除霊する」  「もう消化吸収されちゃってると思うけど」  「では腹を引き裂いて――」

「もうその先は言わなくていいよ……」  でもこれでやっと核心に迫れそうだ。

「実は数日間、報道部の連中に張り込みさせて調べさせたんだけど……この少年は夜にしか現れないんだ」

そう、これが夜の魔術師と呼ばれる原因だ。 僕が真剣な瞳を向けると、皆は空気を張り詰めさせた。

「ほう、そんなことをしておったのか、大棟梁の名も伊達ではなさそうだな」  「まあね」  僕は続ける。

「少年が姿を現す時間帯は深夜零時から夜明け前までだ。 だから若頭、夜の学園に張り込んで捕まえるのに手を貸して欲しい」

「……手を貸して欲しいだと? 自分独りで出来ぬのか?もしかして怖いのか?」  「そうかもね」  その言葉に皆が少し驚いて一瞬動きを止めた。

「うん、夜の学園ってお化け出そうで怖いんだぁ。 だからさ、一緒に付いてきてよ。 頼むよ若頭」  僕は顔の前で手を合わせて戯けてみせた。

若頭は少しビックリして頬を赤く染めながら、咳き込むような手振りをした。 「仕方が無い、付いて行ってやってもよいゾ。 余はこの学園の副棟梁でもあるしな」

「ありがとう」  「まったく、幽霊ごときに脅えるとは役に立たぬ大棟梁ゾヨ。 余が必ず捕まえてみせるゾヨー!」

「へえ、棟梁にも怖いものあったのね。 お化け怖いの、あたしと同じね」  僕の腕にしがみ付いたままのお嬢は優しく微笑みを向けてくれる。

お化けが怖いというのは言い訳だった。 夜の魔術師は何か危険な、嫌な気配を感じる。もしかすると自分独りでは歯が立たないかもしれない。

若頭はお寺の仕事も修行中ではあるが、ある程度の霊能力がある。 僕にも少し形は違うけれど、似たような能力が備わっている。 と、これはまだ秘密だけど。

「それで、お嬢様には学園長に夜の学園潜入許可を取って頂きたいのですが、宜しいですか?」  お嬢の手を取り、姿勢を低くして敬礼してみせる。

「わかったわ♪ まかせといて!」 お嬢はうっとりとして満足そうに、もう片方の手を自分の頬に添えた。

「あのう、ぼくは何をすれば……」 アルが瞳を輝かせながら命令を待ち侘びていた。……存在自体を忘れていた。

「アルは……」 僕は考える。 「アルは……」 更に考える。

「足手まといだから要らない」  「ぶぎゃーーん!?」  盛大に泣かれてしまった。 冗談だよ、と頭を撫でてなだめる。

「アルは、学園内に教職員や生徒が残っていないように配慮して」  「わかりましたれす! 頼まれましたれす!」  アルは額に手を添えて軍人のようにビシッと敬礼した。

……本当に、夜の魔術師とは何者なのだろう。 これで苺の事件を解決することが出来るのだろうか。 不安はあるけれど、でも……。

窓の外を見て、もうすぐ満月が近いなと思った。 もう一度、皆のほうへ真っ直ぐに向き直す。

「決戦は今夜行う! 生徒会執行部、始動開始だ!」

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