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追憶~【ユメノ・ナイト】~・最終話

夜。満天の星空。

バルコニーで満月を眺めながら、私はそんな昔のことを思い出していた。

あの時私は心に誓ったんです。

もう二度とひとりぼっちの夜が訪れないように、怖い夢から彼女を守る、彼女が夢見た王子様の様な【騎士】になると……。

あれから数年の時が過ぎた。

彼女は今もこの家で独りで暮らしている。

いや、私もいるし、メアリという黒装束の変な下僕も増えましたが。

「ナイトぉ~~」

すぐ後ろから、妙に間延びした力の抜けそうな声が呼び掛けてきた。

ミュウさんだ。

「えへ~」

彼女は私の隣りに、寄り添うように並んだ。

「月、キレイだね」

「ハイ。そうですね」

ふわりと風がふいて、彼女の長くて柔らかな髪が私の鼻をくすぐる。

甘くていい香りがした。

彼女はあの頃よりずっとオトナになった。

と言っても、成長したのは年齢だけで、外見も中身も子供のままですけど。

でもそのおかげなのか、私が人間の姿でいられる時間も随分長くなった。

「ナイトの髪もキラキラして、お月様みたい!」

その言葉に、なんだか照れくさくなった。

「そろそろ部屋に戻りましょう。体が冷えます」

「え~。もうちょっと見てたいよぅ……」

私はきびすを返して、

「なら言いますけど、貴方が体調を崩したら誰が看病すると思ってるんデスか?」

彼女は、しばし考え、

「……メアリ?」

オイ。コラ。

「……押し倒しますよ?」

「ふえ?押し倒してどうするの?」

!?

……この私に反撃してくるとは。

なかなかやるようになりましたね……。

まぁ、本当に意味とか分かってないんでしょうけど。

「ふふふ……」

私は笑ってしまっていた。

彼女が不思議そうな瞳で覗きこんでくる。

私はそっと彼女の手をとり、つないだ。

彼女も笑ってくれた。

とても幸せだと思った。

そう、私は今幸せなのだ。

ずっとこのままでいたい。心からそう思った。

……だが、それはきっといけないことなのだ。

教えてもらはなくとも聴こえる。

『カミサマはきづいている

カミサマはしっている

カミサマはみている』

本当は自分の正体もなんとなく分かっていた。

でも今はまだ気付かないふりをしていよう。

貴方は騎士だと信じていてください……。

私は天使でもない。

王子様でもない。

不思議なぬいぐるみなどではないのだから―――。



この心に願うことはただひとつ

どうかカミサマ

『こんな私に気付かないでください……

私は此処にいたいです……

彼女の【ナイト】でいたいのです……』







追憶~ユメノ・ナイト~◆おわり◆

◆◇次の物語へつづく◇◆


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