●サイトのご案内 ●作者プロフィール ●お問い合わせ ●グッズショップ ●リンク集 ●掲示板! ●日記ブログ
■【世界観】 ■【登場人物】 ■【イラスト★】 ■【小説】 ■【漫画?】 ■【詩♪】 ■【その他】 ◆新着記事◆


~星ワタリ篇~【朧月夜・夢現弐光年】

周りの景色が何も見えないほど激しい吹雪の中をメアリは歩いていた。

どさり、と後ろで音が聞こえて急いで振り向く。 ミュウが雪の中に倒れ込んでしまっていた。

焦ってミュウを抱き上げる。 顔色がかなり悪い。体も冷え切ってしまっている。

「くそ……っ」

何故こんな事態に陥ってしまっているのか――。 それは数時間前の出来事だった。



ミュウを背中に抱えながら再び底なしの崖を下りていると、ぽっかりと小さな穴のような明かりが見えた。

ついに地底まで辿り着くことができたのかと歓喜しようとした、次の瞬間。

明かりはどんどん大きくなっていき、メアリとミュウを包む。 そのまま飲まれるように吸い込まれて落ちていく。

そして二人の体が地べたに投げ出された。

「ミュウ、大丈夫か?」 「ん……」 「なんだ……ここ……」

見ると、辺りは一面の雪景色だった。

木がうっそうと茂っている。空は暗い。夜だろうか。

「もしかして底までたどり着いたのか?」

後ろを振り返り空を見渡す。どこを見ても今自分たちが落ちてきたはずの、崖や穴がない。

シンシンと降り積もる雪の夜空だけが広がっていた。

とても寒い。 ミュウは小さく体を震わせた。

遠くのほうにポツポツと幾つかの明かりが見える。 このままここにいても仕方がない、か。

メアリはミュウの手をとり、明かりの方角へと歩き出した。



――そののち、急激に風が強くなりはじめ、視界が悪くなり吹雪へと変わってしまった。

それがこれまでの経緯である。

ああ……。早くどこかに休める場所を探さなければ……。

と、そこに、どこか遠くのほうから汽笛のような音が聞こえてきた。

しだいに音は大きくなり、何かが近づいてくる気配を感じる。

「……!?」 とっさにメアリは身構えた。

空の上のほうから有ろうことか、蒸気機関車が飛び、こちらに近づいてくるのが見えた。

フワッと一時の間、その場だけが何か暖かいものに包まれた気がした。 それと同時に吹雪がおさまっていく。

いつの間にか周りの景色は、どこかの駅のような場所へと変わっていた。

大きな汽笛を鳴らし煙をはきながら、目の前に蒸気機関車が降りてくるようにして停車した。

ミュウを抱き上げたまま、メアリは驚いて立ちつくしてしまった。

辺りは白い霧のような物に包まれてよくは解らないが、客らしき人たちが乗り込んでいく姿が見えた。

「お客様。乗らないのですか?」

呆然としていると、窓から車掌さんが声をかけてくれた。

我に返るメアリ。 眉間にシワをよせる。が、このままここにいても埒が明かないことは明確だった。

「ご乗車ありがとうございます」 にっこりと暖かい笑顔を向けられた。

しばらくして、メアリは自分が乗車券もお金も持っていないことに気付くことに、時間はかからなかった。




↑☆★拍手を送る★☆

にほんブログ村へ
▲ランキング参加中♪▲
お気に召しましたら応援クリックしてくれると、更新の励みになって嬉しいです★☆彡(*^_^*)
★彡☆彡★彡☆彡