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~星ワタリ篇~【夢現四光年】

乗車確認から帰って来た車掌はメアリと向かい合うようにして席についた。

「悪いな」

「いいんですよぉ~。仕事もひと段落付きましたし、次の駅まではまだまだありますし」

ミュウに温かいスープと風邪薬を飲ませてくれ、今は毛布にくるまり眠りについている。

見知らぬ地なので悪い気はしたが、念のために毒見をさせてもらったから大丈夫だろう。

「それで、ご質問とは一体どのようなことで?」

「そうだな……じゃあまず、この列車はどこへ向かってるんだ?」

「太陽系に沿って進んでおります、終点は惑星・キングガイアになりますけど」

「この列車は宇宙空間を走ってるのか?」

「もちろん!走っていますよ~。 この鉄道はもう何百年も昔から♪」

「……惑星・キングガイアってのは何のことだ?」

再び引きつってしまいながらも、なんとか平常心を保ちながら聞くメアリ。

「お客様~? もしかして~」

車掌さんは目を細めてメアリをのぞきこむ。

「時空異邦者じゃありませんか~?」

「時空異邦者?……なんだそれは?」

「この世界に迷い込んだ者、とでもいいましょうか。 最近増えていましてね。

突然、時空の狭間のような所から現れるのですけれど。

それが皆ヒューマンのような姿をしているらしいです。 わたしはまだ一度も出会ったことがないのですが」

聞きなれない言葉だが、もしかすると自分たちはそれなのだろうか。と考えてしまう。

「説明はしづらいんだが……俺たちは奇妙な穴みたいなものに吸い込まれた、と思う。

それで、いつの間にか見たことのない場所にいて――」

「それじゃ、時空異邦者さんで決まりですねぇ!」

車掌さんはにっこり笑ってメアリの両手を握る。

「わたし、一度会ってみたかったんですよぉ~♪」

「いや、まだそうと決まったわけじゃ……」

「やっぱり外見はヒューマンの方と変わりありませんね。服装は少し奇抜かも~?」

嬉しそうにジロジロとのぞきこまれて少し参ってしまう。

「なあ、ここってみんなあんな奴らばっかりの世界なのか?」

メアリは再び乗客に聞こえないように小声で話す。

「そんなことありませんよ。 この世界にはヒューマンの方も沢山いらっしゃいます。

ただ、この列車に乗客してくるのは少し珍しいかもしれませんね……」

「……?」

一瞬だけ車掌に暗い影のようなものが落ちた気がした。

だが、すぐにまたニコニコ笑顔に戻った。

「行き先は決まっていないですよね?」

「あ、ああ」

「ん~、それでしたら~。 やはり終点のキングガイアまで向かうのが良いかもですね~。

あそこならヒューマンの方もいますし、お金も借りられる所もありますしね~」

「金が借りられるのか!?」

その言葉に飛びついた。

「ええ、わたしの知り合いなんですけど、ある条件を満たしていればOKという豪快な方でして~」

車掌さんが更に顔を近づけてきた。ジロジロとまんべんなく体中を見られる。

「ん~。お客様なら問題ないかと~♪」

「なんでも構わない。金が手に入るなら助かる」

この際、手段は選んでいられない。

ヤミ金融だろうが博打だろうが、自分には慣れたことだ。

それに、金が無ければ宿にも泊まれないし、ミュウを守ることもできない。

「それでは、着いたら直ぐに目的地に向かえるように地図を用意しておきますね」

「何から何まで、済まないな」

車掌さんはお辞儀をすると別の車両へと歩いて行った。

窓の外に目をやり、ふと考えてしまった。

そういえば自分は人間ではないじゃないか。 ふっとため息をつく。

……俺は馬鹿なのか?

けれど、今はこのありがたい恩に感謝していよう。

一抹の不安が心をよぎる。が、きっと大丈夫だと、自分に言い聞かせた。





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