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†††闇王子と人形姫の不思議な鏡迷宮†††【夢一夜】

むかしむかし、世界で戦争が起き、人々は今まで暮らしていた家や街を捨て、各地に逃げ渡りました。

けれど、ひとつだけ捨てられずに人々が住み残っている街がありました。

その街の兵士たちは、覆い隠すように街全体にとてもとても大きな壁を造り、自分たちの街を守りました。

戦争が終わり、無事に街が守られたことを確認すると、兵士たちは力尽きて命を落としてしまいました。

今でも兵士たちの亡霊が守り続けているという伝説がある街。

人々が皆幸せで、魔法仕掛けにされているという不思議な噂が在る街。

結界が張られていて、出ることも出来なければ入ることも出来ない街……。

――人々はその街を、【ネオ・ネヴァーランド】と呼んでいます――。



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少年の名は【リナイト・リトルロード・ネヴァー】。

少女の名は【ミュウ・リトルロード・ネヴァー】。

ふたりはネオ・ネヴァーランドで暮らしている。名字は同じだが血は繋がっていない。遠い親戚ということになっている。

……とりあえず、そういうことになっている。

本当のことを話しても誰も信じてはくれないだろうし、妙な噂がたつのも御免だから、周りの人には【秘密】にしている。

「はいっ、ミュウちゃん、ナイトくん。今月分のお給料♪」

ふたりは、喫茶店【ミザリィ・ロンド】で雑用係のバイトをしている。アンティーク調で飾られた店内。そこのマスター、アンジェラから茶封筒を受け取った。

「……えと、ありがとうございますです」

頭にうさみみを付けた長いツインテールの髪の少女、ミュウはぎこちなくふかぶかとお辞儀をした。

「なんだか先月より薄くないですか?コレ。不況だからデスかぁ?」

茶封筒をつまんでわざとらしく宙でヒラヒラさせる、金髪の少年ナイト。左脚が不自由なため、片腕には杖を装着している。

「失礼ねぇ!雑用係のくせにナマイキ言うんじゃないわよ!……接客に周ってくれるっていうなら増やしてあげてもいいんだけどぉ?」

マスター・アンジェラは小指を立てて体をくねらせた。

店員たちは他にもいて、上流階級の貴族の屋敷に使えるメイドや執事を少しゴージャスにしたようなコスチュームに身を包んでいる。

「NOn!冗談!人に頭を下げられる仕事ならまだしも、こちらが頭を下げるだなんてこのワタクシには耐えられない!」

「あら、あんた達ふたりがうちの制服着て接客したら、この店も繁盛まちがいなしなのにぃ~。うふふ♪」

アンジェラは男である。別名、オカマのマスターと呼ばれている。

「まぁ冗談はさておき、今日は感謝祭だから早々と店閉まい♪アタシ、夜になったら【ムーン・チャイルド】の子供たちにプレゼント配る仕事が待ってるのよ」

「ムーン・チャイルド……。戦争孤児の子供たちが暮らしている教会ですね。……へえ、マスターもたまには良いことをするのですね」

「たまに、は余計よ!」

「そういえば、ミュウさんも――」

「……うん」

ミュウは少しだけうつむいた。

「きっと、こんな体の弱い子がいたら足手まといになるの。だから、おとうさんとおかあさんミュウのこと捨てて逃げたの……かな。……お家と遺産があったから孤児院に入らなくて済んだんだけど」

……。

「……湿っぽい話は無しにして、せっかく冬休みも取ってあげたんだから!今日はおもいっきり遊んで来なさい!」

アンジェラはその場を和ませるように笑った。

「……ナイト」

「ミュウさん……」

ふたりは顔を見合わせた。

「行こっかあ」

「ハイッ!」

ミュウとナイトは手を取り合い、やわらかい陽差しの中を駆け出して行った。

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