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†††闇王子と人形姫の不思議な鏡迷宮†††【夢八夜】

しばらくの間、不穏な空気が漂っていた。

「キヒヒィ……」

死神・ファントムは飽きたかのようにプイッとナイトから背を向けミュウのほうに向かって、ふわりと歩きだす。

「お、オイ!?」叫ぶメアリを気にも止めずに、後ろからミュウの体に覆いかぶさる。

「ミュウ!逃げろ!!」

だが、ミュウにはメアリの声など聞こえていなかった。いとも簡単に死神に抱きつかれてしまう。

「ミュウ……?」

よく見るとミュウの瞳は虚ろで光を失っていた。まるで玩具の人形のように、力なくだらりと全身が垂れ下がる。

「メアリ、落ち着きなさい。おそらくあの死神が何かしたのです……」ナイトが腕を伸ばしてメアリを妨げる。

「アレェ……?オカシイねェ……このコ……」ミュウの顔をつかんで見るなり、死神は首を傾げる。

「このコ……生きてるのに……、死んでる」

――!!

「っ……このっ!!」

メアリは思わず、シルクハットをつかんで戦闘態勢に入ろうとする。が……、

「――う……!?」

全身が石のように重くなり、異常な重力で上から体を押さえつけられているかのような感覚を覚え、ふたりはその体勢のまま動くことができなくなった。

「悪いケド……こんな所で面倒くさい汗流すの、ゴメンなんだァ……」

仮面を着けていて顔は分からないが、死神は嘲笑うかのように、

「それに……キミには用は無いヨォ……、黒兎クン……」

メアリを見下した――。

……こいつは何を知っている……?

「ボクが用があるのは、そこにいる……白い兎の道化師だけダヨ……?」

言われてもナイトは少しも表情を変える様子はなく、自信に満ちた瞳のまま死神を見ている。

「ナイト……キミのその顔……その瞳……その姿……、その全てが――」

死神は掌から手品のようにひとつのサイコロを取り出す。

「……気に入らない……」

指で弾いてナイトの左脚を目掛けて投げつけた。

――!!

「っっっああああああああああああああああ!!」

ナイトが声にならないような悲鳴を上げてもがき苦しむ。体の自由が利かないせいで倒れることすら出来ない。

「……その左脚、そんなに痛いィ……?」

「うぅ……っ」小さなサイコロがぶつかっただけなのに、ナイトは痛がっている。

「……そんなに痛いなら、ナイトなんて……やめちゃえばいいのに……」

――――。

「オイ貴様!!卑怯だぞ!!」

「五月蠅いなァ……少し黙っててくれるゥ……?」

今度はメアリに向かい、何かのマジックのように指を差す。

「おいでェ、ハートさん……」

その掌からポワンッと丸っこい軟らかな奇妙な物体が生まれ出る。パチンッと指を鳴らすとメアリ目掛けて飛んできた。

「ゲッ!?」

胸の辺りにポヨヨンと、何か軟らかい感触が走る。

それはピンク色のハート形した丸っこい――生き物だった。つぶらな瞳がこちらを見つめている。後ろに白い羽も付いている。

「みっ♪」……鳴いた。

メアリを見るなりその生き物は頬を赤く染めて、くちびる目掛けて熱烈キッスしてくる。

「みっ♪みっ♪みっ♪」

「うぶうえぇぇうぅぐうぅうううううぐぅぶふえぇぇえ!!!!」

「そのコの名前は、ハートさん……女のコだから優しくしてあげてネェ……☆」

「ふざけるなっ!!このっ卑怯者――!!」

クソッ!!これは何かの陰謀か?なんで俺ばっかりいつもこんなアホみたいな役――。

女・子供と小動物?には手が上げられない、可哀想なメアリである。

「メアリ……大丈夫ですよ……」

モガモガともがくメアリに動けないまま喋り掛ける。ナイトは脚を震わせながら、杖を支えにかろうじて立っている。

「ワタクシは彼女のナイトです……絶対にミュウさんを守ってみせます……」

…………。

「約束しましたから……」

その瞳には薄っすらと、哀しみの涙がにじんでいた……。

もう二度とひとりぼっちになどしないと――。

……。

「……いつまでそんなこと、言っていられるのカナァ……?」

ふたりは、死神・ファントムを睨んだ。

「このゲームを始めても……そんなことが言えるのカナァ……?」

ファントムは鞄を指差した。

「【ナイトメア・メイズ】」

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