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†††闇王子と人形姫の不思議な鏡迷宮†††【夢十夜】

ミュウは夢を見ていた……。

それは懐かしくてどこか哀しい……だけど幸せだった、あの頃の夢を。



遠くのほうで子供たちが遊んでいる笑い声が聞こえる。外は暖かくて良い天気のようだった。

けれどこの部屋の中は太陽の光を遮断するように黒いカーテンがぴっしりと閉められていて、真っ暗だった。

ベッドの上……。大好きな、大好きだった【彼】の香りがする。毛布は暖かい……それでも体は少し肌寒くて冷たくて。

……ぼんやりと光る四角いパソコンのディスプレイが見えた。すぐ近くに人の気配を感じる。

ミュウはゆっくりと体を起こした。

「お目覚めですか?お姫様」

目の前にまっさらな少年がいた。いつも夢の中に出てくるあの少年だった。

驚いて声が出せない。

彼は車椅子に座り、真っ白なとても裾の長い服を着ている……。それがまるで死者の装束のように感じて、ミュウは少し怖くなった。

白銀の髪、病的なほど真っ白な肌。こんなに近くにいるのに顔がよく見えない――。

彼はすぐ傍に飾られていた鳥籠に手を伸ばし頬を寄せる。

中には、白と黒のうさぎのぬいぐるみが入っていた。

「これ、貴方が欲しがっていた物ですよ」彼が微笑む。

目と耳はもげ、綿はとび出し、所々ツギハギだらけで。無数に釘のようなものが刺さっていた。

まるで呪いの儀式にでも使うかのような人形だった。

「手に入れるのにとても苦労しました。でも貴方に喜んでもらいたかったから、ワタシからのプレゼントです」

彼がミュウの頬を優しく撫でる。慈しむように。

……ちがう……ミュウが欲しかったのはそんなぬいぐるみじゃない……もっと可愛いのだよ……?

「夜になったらまたお散歩に行きましょうね。今度は苺のアイスも分けてくれますよね」

……そんなの知らない……ミュウは苺が嫌いだもん……。

ミュウはビクッと身を縮めて動けない。

「あなたは……」ミュウは呟いた。

少年は顔色ひとつ変える様子もなく、微笑んでいる。

「あなたは、だれなの……?」

訊いてしまった。ついに訊いてしまった。――それはいけないことかもしれなかった。

瞬間、空間がヒビ割れ暗闇に放り出されるかのような錯覚を感じた。

ピピッ。

唐突にパソコンから呼び出し音が鳴った。

……なんだろう?ゆっくりと近づいてモニターを覗き込む。一通のメールが届いていた。

『アナタハ、ドコニイルノデスカ? ワタクシハ、ココニイマス!』

差出人は――

【リナイト・リトルロード・ネヴァー】

――――。

思い立ったように、「……行かなきゃ」ミュウは小さな声を絞り出す。

「わたし、行かなきゃ!!」思わず走り出そうとする。

が、

「何処へ行くのですか?」少年に腕を捉まれてしまう。

その手はまるで石のように硬く、冷たかった。

「っ離して!!――彼が……ナイトがミュウのこと呼んでるの!!」

「何を言っているのですか……?」

…………。

「【ワタクシ】なら、ここにいるではありませんか」

――!!

少年の瞳が深紅に光りを放ち、恐ろしいほどに大きく見開く。

体のいたる所に血のような染みが浮かび出し、炎が燃え盛った。

あぁ……。そうか。そうだったんだ。

部屋が壊れていく。世界が終わっていく。ミュウの体も少年の元へと崩れ堕ちていく。

ゆらりと地面にへたり込み少年の膝の上に顔をあずける。

【ナイト】が優しくミュウの頭を撫でる。

ミュウは感情を無くした声で呟いた。「……ずっといっしょにいようね」

そうだ。ずっとずっといっしょにいたかったのに……ただそれだけでよかったのに……。

その瞳からは何故か涙が毀れていた。

ぼんやりと意識が薄れていく。ミュウは静かに瞳を閉じようとした。

だけど――。

『――ミュウ!!』

誰かの呼ぶ声が……。大きな黒い悪魔の翼が、見えた気がした。

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