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闇王子と人形姫の不思議な鏡迷宮【夢現最時】

神はわずか24時間で【世界の全て】を創造した。



【僕ら】は想像する。 もうひとつの世界を。カガミの世界を。

あちら側の世界でなら、どんな願いも必ず叶うのだ。



――約千年前。

遠い遠いどこかの国。 山や森に囲まれ人里離れた崖の上の古城。

その一角にある不思議な部屋で、ある幼い少年と少女が囁きあうように歌い、遊んでいた。

そこは真っ白な何処までも続くとも思える空間のようで、地面には巨大な魔方陣が描かれている。

少年と少女をぐるりと囲むようにして円の中に、うさぎのぬいぐるみが置かれている。全部で十二匹。

それは何処か子供らしく、何か恐ろしい儀式のようにも感じとれた。

辺りには、ビーズや万華鏡、トランプにサイコロやおもちゃの手鏡といった遊び道具が散りばめられている。

「むふんっ……♪」 地べたに転がり頬杖を付いて少年が笑む。金色の髪が揺れた。

向かい側には、髪をツインテールに結わえた少女が膝を抱えてちょこんと座り込んでいる。

ふたりの間、部屋の中心には柩型の黒い鞄が置かれている。それを開けると中はチェス盤となっていた。

チェス駒は見当たらない。

少年はすぐ傍にあった自分そっくりの小さな人形を指に取り、チェス盤の上へと載せる。

続くように少女も自分そっくりの人形を、向かい合わせになるようにチェス盤に載せた。

「世界はワタクシのもの……ここではワタクシが神です。 神の命令は絶対デス」

少年がニヤリと唇を三日月形に曲げる。

「貴女は女神にしてあげましょう」 目の前にいる少女を見つめて指を差した。

「女神さま!? うれしいっ!!」 少女がぴょこんっと飛び跳ねそうに喜ぶ。

「――じゃあ、俺は大魔王様か?」

少女の頭にポンと手を置き、長身の男性が話しに割って入ってきた。

「魔王~~? 魔王は神の敵デスよ? 抹殺して差し上げましょうか?」

少年は邪魔するなとでも言いたげに、いかにも嫌そうに眉をしかめて唇を歪める。

「おいおい、物騒な話しだなあ。 もっと子供らしく無邪気に遊べないのか」

「ワタクシはいつでも無邪気デスよ?」

「そうかぁ?」 「そうデス!」

ほんの少しうつむいて、震えそうな体を押さえながら静かな声で言った。

「ただの遊びなのですから、よいではありませんか……」

その言葉を最後に、三人は黙り込んでしまった。 ただただ寂しさだけが残った。

男性が部屋の端にある窓枠に寄りかかり、肩越しに下界を見下ろす。

外は良い天気だった。青空が広がり、鳥たちが飛び立っていく。 思わず、ふたりのほうに目線を向ける。

ここはまるで、鎖に繋がれた鳥籠の中のようだった。

固く頑丈な鉄格子に覆われて、羽ばたくすべなどどこにも無い。光すらも届かない。

解っていたのだ、少年は。自分は神になどなれないことを。

そしてまた男性も魔王になどなることはできない。何故なら自分たちは何の力も持たない、ただの人間なのだから。

いや、特別ではない、ただの人間だから、また新しく何かができるのではないだろうか。

ふと傍にある、無造作に積み上げられている本の束に目をやる。

小さくひとつため息をついてから、男性は上に重ねてある【紅い本】と【青い本】を手に取った。

【青い本】は――少年と少女の秘密の日記。

【紅い本】は、男性がふたりのためにこっそりと綴っている、ふたりのためだけの秘密の物語りだった。

ラストシーンはもう決まっていた。最後は笑ってハッピーエンドだ。

誰にも気が付いてもらえなくてもいい、ふたりが幸せになれるように……。

――けれど、もしも誰かが何処かでこの世界で迷った時に、道しるべになれたらいいと、希望の光を忘れないようにと、

もう誰もこのような悲劇を、あやまちを繰り返さないために――。

……そう、【俺】は書こうと決めたのだ。

どうか、この地上の全ての人々に幸せが降りそそぎますように。

祈りを込めて、最後のページにとある言葉を綴っておいた。

さて、物語りの続きはどこまで進んだのだろうか。

ページをめくり始める……。

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